うくひすのこほれる涙

読書おぼえがき

2015-01-01から1年間の記事一覧

お知らせ

記事を書くのに、編集がしにくいので、以下に引越ししました。 http://blog.livedoor.jp/ttokoharukun/

末摘花の装い

だいぶん寒くなってきた今日この頃、いよいよ白鳥の声が聞かれるようになった。 薄手の上着は衣装ケースの中にしまいこみ、ニットや厚手のものをタンスの取り出しやすい所に収納すれば・・・ 『紅葉はまだでも、いよいよ秋本番』な感じがしてくるものだ。 さ…

もののけの正体

源氏では、やたら「もののけ」の話が出てくる。 「もののけ」にとらわれて、病になったり、挙げ句は命までも失ってしまったり。 「もののけ」によって、現代で言えば、精神疾患のようになってしまう人の多いこと多いこと。 無論、源氏はフィクションではある…

食の大事

平安時代の貴族は、一日二食だったそうな。 平安貴族ではない私も、いつからか忘れたが、一日二食を基本にしている。 別に、ダイエットして痩せたい訳ではない。 単に、一日三食とると、かえって疲れるのだ。 たぶん、老化現象なんだろう。 若い頃なら、一日…

ある意味、うらやましい

秋といえば、「読書の秋」である。 万葉集を読んでいると、ふと、謎に思ったりした。 『万葉の人々の生活は、いったいどんなだったろう?』と。 そして、その種の本を手にしてみることに・・・ (いつも、こんな風にして次に読みたい本が決まっていくのだ。…

笑い事ではないが

最近、某デザインのパクリ問題がとかく言われている。 絵画なら模写というものがあり、書道なら臨書というものがある。 アナログな、技量を問う世界であり、それはそれで作品として成立している。 そして、どんな芸術作品も、自分が作る以前の作品にインスピ…

平安の色から

「建礼門院右京大夫集」を読み終わって、「源氏物語」を読んでみようと思ったのには、ワケがある。 無論、日本が世界にほこる古典文学といえば、源氏、だし、それを読んでおかねばっ、というのもあったが。 「建礼門院右京大夫集」には、源氏についての知識…

さまざまな発見

和歌と言えば・・・ なんとなく、お上品な世界を思い浮かべ・・・ 花鳥風月などを心情とともに描写しているものと、考えたりしがち。 たぶん、学校で習った「古今和歌集」の中の作品を連想するのだろうな。 一方、同じ歌集でも、「万葉集」には、もう少し野…

ある種の天才

源氏を読みつつ、「紫式部は天才だっ!」と思ったのであった。 そもそも、この物語は、式部が仕える天皇や中宮などに話して聞かせて教育するために作られたのだそうだ。 そして、これは「源氏の物語」。天皇の子として生まれ、皇位継承争いから外れて天皇の…

一見、しりきれとんぼ

やっと、源氏を読破した。 が、読後感想は・・・ ネバーエンディングな後味の悪さ、といおうか。 アメリカ映画のヒット作といえば、単純明快で、見終わった後、というか見終わる前から、結末が分かるような安心感があるが・・・ 興行的にはヒットしなかった…

うち、からだ弱いネン

源氏を読んでいると、旅行に行きたくなってきた。 行き先は、勿論、京都だ。 「絵合」にその名が出てくる小野道風がまつられているという道風神社に行ってみたくなったのだ。 で、どこにあるのか調べてみた。 すると・・・ 市の中心から、かなり遠いというこ…

萌え〜、ならぬ、萎え〜

「源氏物語」は今、「浮舟」を読み始めたところ。 あとは、「蜻蛉」「手習」「夢浮橋」で読破できることになる。 が、なんだかなぁ〜。 宇治十帖に入ってから、どうも「読みたい欲求」が上がって来にくくなっているのだ。 前回も書いたが、なんだか暗くて重…

もう少しだ

「源氏物語」を夜寝る前に読み始めてから、もうどれくらい経っただろう? ようやく、「宇治十帖」を半分過ぎた。 この「宇治十帖」は、それまで(雲隠、というか、幻)とは、一寸趣が異なってくるように思える。 「宇治十帖」以前は、「話して聞かせる物語」…

静かに読むだけじゃあもったいない

日本文学を代表する「源氏物語」を、死ぬまでに一度は全部読破してみたい! ・・・などという欲求にかられて読み始めてみると、ふと、謎に感じることが出て来た。 『これって、どう発音するん?』 一度謎に思うと、もう止まらないのであった。 で、探せばあ…

ちょいと脱線

本を買う時、古本を買うことが多い。 理由は、絶版になっていたりすると古本しかないというのと、メジャーな本なら安いからだ。 大抵は古本でもキレイなのだが、そうではないこともある。 書き込みがある場合も。 それに気づくと一瞬、返品を考えるのだが、…

桐壺

「源氏物語」に出てくる歌に興味を持った。 そういう本も、今、出版されてはいるけれども、全部網羅しているわけではなく、一部を紹介してあるに過ぎない。 ということは、自分で拾ってみるしかないので、拾ってみた。 桐壺の巻だけだが、以下がそれである。…

鶯有慶音

今週のお題特別編「春を感じるとき」 〈春のブログキャンペーン 第1週〉 ・・・・・・・ のどかなる 春にあふよの うれしさは 竹の中なる こゑのいろにも ・・・・・・・ 建礼門院右京大夫が詠んだ歌。 のどかな春は、平和だからだろう。 雪の季節が過ぎると…

こほれるなみだ

・・・・・・・ 雪のうちに 春は来にけり 鶯の こほれる涙 今やとくらむ ・・・・・・・ 「鶯の涙が凍る」とは、 ちょっと思いつかない表現だ。 でも、 『涙が凍ってしまっているのではないか?』 と、感じたことはあるような。 凍った涙をとかしたい... そ…

うれし

「建礼門院右京大夫集」を読むきっかけになったのが、この歌だった。 ・・・・・・・ 雲のうへに かかる月日の ひかり見る 身の契りさへ うれしとぞ思ふ ・・・・・・・ 和歌など、私には、それほど興味がある訳ではなかった。 しかし、この歌が、かな字典に…

はかなき花

平資盛が都落ちし入水した後、資盛の恋人であった建礼門院右京大夫が、ありし頃を想い綴った「建礼門院右京大夫集」は、長い詞書と和歌が繰り返されている。 延々と続く彼女の「追憶」は、まるで時が止まったよう。 そのありし頃の追憶の一片として、朝顔が…