うれし
「建礼門院右京大夫集」を読むきっかけになったのが、この歌だった。
・・・・・・・
雲のうへに かかる月日の ひかり見る 身の契りさへ うれしとぞ思ふ
・・・・・・・
和歌など、私には、それほど興味がある訳ではなかった。
しかし、この歌が、かな字典に掲載されていたのを見て、『なんと美しいのだろう。』と、心を奪われてしまったのだった。
この歌の「月と日のひかり」が天皇中宮を指しているのは、和歌好きでなかった私にも察しは付いた。
だが、私はあえて、そこを特定の人間ではなく、歌の字面どおり天体の月と太陽の光としてこの歌を読んでも、いや、その方が尚更に、この歌は美しいと感じるのだ。
自然を非常に美しいと感じる時
そんな時は
俗世間の喜怒哀楽を超えた
軽やかな透明感ある喜びと感謝に満たされる