うくひすのこほれる涙

読書おぼえがき

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

桐壺

「源氏物語」に出てくる歌に興味を持った。 そういう本も、今、出版されてはいるけれども、全部網羅しているわけではなく、一部を紹介してあるに過ぎない。 ということは、自分で拾ってみるしかないので、拾ってみた。 桐壺の巻だけだが、以下がそれである。…

鶯有慶音

今週のお題特別編「春を感じるとき」 〈春のブログキャンペーン 第1週〉 ・・・・・・・ のどかなる 春にあふよの うれしさは 竹の中なる こゑのいろにも ・・・・・・・ 建礼門院右京大夫が詠んだ歌。 のどかな春は、平和だからだろう。 雪の季節が過ぎると…

こほれるなみだ

・・・・・・・ 雪のうちに 春は来にけり 鶯の こほれる涙 今やとくらむ ・・・・・・・ 「鶯の涙が凍る」とは、 ちょっと思いつかない表現だ。 でも、 『涙が凍ってしまっているのではないか?』 と、感じたことはあるような。 凍った涙をとかしたい... そ…

うれし

「建礼門院右京大夫集」を読むきっかけになったのが、この歌だった。 ・・・・・・・ 雲のうへに かかる月日の ひかり見る 身の契りさへ うれしとぞ思ふ ・・・・・・・ 和歌など、私には、それほど興味がある訳ではなかった。 しかし、この歌が、かな字典に…

はかなき花

平資盛が都落ちし入水した後、資盛の恋人であった建礼門院右京大夫が、ありし頃を想い綴った「建礼門院右京大夫集」は、長い詞書と和歌が繰り返されている。 延々と続く彼女の「追憶」は、まるで時が止まったよう。 そのありし頃の追憶の一片として、朝顔が…