うくひすのこほれる涙

読書おぼえがき

源氏物語

もののけの正体

源氏では、やたら「もののけ」の話が出てくる。 「もののけ」にとらわれて、病になったり、挙げ句は命までも失ってしまったり。 「もののけ」によって、現代で言えば、精神疾患のようになってしまう人の多いこと多いこと。 無論、源氏はフィクションではある…

平安の色から

「建礼門院右京大夫集」を読み終わって、「源氏物語」を読んでみようと思ったのには、ワケがある。 無論、日本が世界にほこる古典文学といえば、源氏、だし、それを読んでおかねばっ、というのもあったが。 「建礼門院右京大夫集」には、源氏についての知識…

ある種の天才

源氏を読みつつ、「紫式部は天才だっ!」と思ったのであった。 そもそも、この物語は、式部が仕える天皇や中宮などに話して聞かせて教育するために作られたのだそうだ。 そして、これは「源氏の物語」。天皇の子として生まれ、皇位継承争いから外れて天皇の…

一見、しりきれとんぼ

やっと、源氏を読破した。 が、読後感想は・・・ ネバーエンディングな後味の悪さ、といおうか。 アメリカ映画のヒット作といえば、単純明快で、見終わった後、というか見終わる前から、結末が分かるような安心感があるが・・・ 興行的にはヒットしなかった…

萌え〜、ならぬ、萎え〜

「源氏物語」は今、「浮舟」を読み始めたところ。 あとは、「蜻蛉」「手習」「夢浮橋」で読破できることになる。 が、なんだかなぁ〜。 宇治十帖に入ってから、どうも「読みたい欲求」が上がって来にくくなっているのだ。 前回も書いたが、なんだか暗くて重…

もう少しだ

「源氏物語」を夜寝る前に読み始めてから、もうどれくらい経っただろう? ようやく、「宇治十帖」を半分過ぎた。 この「宇治十帖」は、それまで(雲隠、というか、幻)とは、一寸趣が異なってくるように思える。 「宇治十帖」以前は、「話して聞かせる物語」…

静かに読むだけじゃあもったいない

日本文学を代表する「源氏物語」を、死ぬまでに一度は全部読破してみたい! ・・・などという欲求にかられて読み始めてみると、ふと、謎に感じることが出て来た。 『これって、どう発音するん?』 一度謎に思うと、もう止まらないのであった。 で、探せばあ…

桐壺

「源氏物語」に出てくる歌に興味を持った。 そういう本も、今、出版されてはいるけれども、全部網羅しているわけではなく、一部を紹介してあるに過ぎない。 ということは、自分で拾ってみるしかないので、拾ってみた。 桐壺の巻だけだが、以下がそれである。…