うくひすのこほれる涙

読書おぼえがき

一見、しりきれとんぼ

やっと、源氏を読破した。

 

が、読後感想は・・・

 

ネバーエンディングな後味の悪さ、といおうか。

 

アメリカ映画のヒット作といえば、単純明快で、見終わった後、というか見終わる前から、結末が分かるような安心感があるが・・・

 

興行的にはヒットしなかったが、なぜか心に残る映画というのは、見終わった後、どこか「しりきれとんぼ」で、自分でその評価を考えなければならないようなことが多いんじゃないかな。

 

それは、しばしば「後味わるぅ〜。。。」と思えたりして。

 

桐壺帝→光→夕霧 oder 薫

と、世代世代で作られる人間模様だが、そこには、一見違うように見えながら、本質的には変わらない悲しい人間のサガが繰り返されて・・・

 

結末があるようで無い、ネバーエンディングな、人間のおバカさ加減が、どこか、しりきれとんぼで、後味の悪さを醸し出すのだろう。

 

『そんなくっきりはっきり白黒つくわけないだろー!』と、アメリカ映画のヒット作を見ると、つっこみたくなるが・・・

 

『フィクションの世界だけでも、ハッキリした終わりのある、単純明快さを求めたくなるっていうのも、心の中のどこかに確かにあったりするわなぁ〜。』などと、夢浮橋を読み終わって思ったのだった。

 

『フィクションだけど、超リアル』な源氏物語であった。