うくひすのこほれる涙

読書おぼえがき

ちょいと脱線

本を買う時、古本を買うことが多い。

 

理由は、絶版になっていたりすると古本しかないというのと、メジャーな本なら安いからだ。

 

 

 

大抵は古本でもキレイなのだが、そうではないこともある。

 

書き込みがある場合も。

 

それに気づくと一瞬、返品を考えるのだが、その書き込みを改めて読んでみると、それがまた面白く思えてきたりするから不思議だ。

 

世の中に沢山存在する新本ではない、たった一つの本に思えてきたりする。

 

勿論、その書き込んだ主のセンスにもよるが。

 

 

書き込みもなく、古びてもいないが、匂いのついている古本もある。

 

普通は、ホコリっぽいいかにも古本の匂いなのだが。

 

一度、そうでないのに出会ったことがあった。

 

上品な香水の匂いがする古本。

 

それも「新古今和歌集」の文庫本。

 

『一体、どんな人が前の持ち主だったんだろうか?』と想像してしまう。

 

以来、大事にとっておきたい小さめの本は、お菓子の空き箱にお香と一緒に入れてしまうことにしている。

 

 

 

やはり、紙の本って人間くさくて良いと思う。