うくひすのこほれる涙

読書おぼえがき

鶯有慶音

今週のお題特別編「春を感じるとき」
〈春のブログキャンペーン 第1週〉

 

・・・・・・・

のどかなる

 

春にあふよの

 

うれしさは

 

竹の中なる

 

こゑのいろにも

・・・・・・・

 

 

建礼門院右京大夫が詠んだ歌。

のどかな春は、平和だからだろう。

 

 

雪の季節が過ぎると、それを知らせるかのように鶯が鳴き始める。

 

春の訪れを歓喜しているのか。

 

 

現代の日本人にとり、一般的に春を感じるのは、桜の開花であろう。

 

何らかの理由で、外を出歩けない者にとっても、ニュースなどで桜が咲き並ぶ姿が映し出されると、春の到来を確認する。

 

 

春を感じる桜の花咲く頃というのは、出立や始まり、新しい出会いのシーズンでもあり、鶯でなくとも、歓喜の時節なのだろう。

 

 

 

 

 

しかし、私にとっては、桜の花咲く頃というのは、少し違うように感じる。

 

 少し気を緩めると、悲しくなってくる。

 

その理由は、なぜだかさっぱり分からないのだけれど。

 

それが、いつから始まったのかも分からないのだが。

 

 

 

桜は特別な花なのか。

 

もしも、春に桜を見ることがなければ、そんな感情もわきおこって来ないのだろうか。

 

桜の無い春に出会ってみたい。